• テキストサイズ

首輪をつける

第3章 子猫のワルツ


カルファの一族はここら一帯を仕切る大地主で、それを元にした商売も手広く行っている。

「カルファ様、どうぞ」

サピルーンが豪邸の前に聳える門を開き、深深と頭を下げる。

カルファはの首輪から伸びる鎖を引っ張り、堂々と門をくぐる。

「カルファだ! 今帰ったぞ」

「おかえりなさいませカルファ様!」

カルファの帰宅を受け、使用人達がすっ飛んでくる。

スタスタと廊下を歩くカルファの後ろや左右にピッタリとつき、

「今日のお出かけはいかがでしたか」

慣れた手つきで外套を受け取り、笑顔を向ける。

「まあまあだ」

歩きながらにカルファの美しい毛並みをブラシで整える従者が、貧相な身なりをしたをちらりと横目で窺う。

「其方が今日のお買い物ですか」

猫なで声で訊ねるも、カルファはけんもほろろに答える。
/ 184ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp