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首輪をつける

第15章 めんこいおうま


は今日も美しい化粧をし、綺麗な衣装を身にまとい、客を待ち受ける。

ノックの音に導かれるようにドアを開けば、そこには馬の獣人の男が立っていた。

彼は真っ直ぐ射抜くような視線でを見つめていた。

彼の鹿毛色の毛並みは艶々として、光り輝くような美しさだ。

服の上からでもがっちりとした体躯が見て取れ、しっかりと筋肉の付いた腕と固太りした脚が目を引く。

短く刈られた濃い黒のたてがみ、意志の強そうな瞳。

早馬そのものの彼の腰から覗く、焦げ茶色の長い尻尾が待ちきれないとでも言うようにふさふさと揺れていた。

は青年の逞しい身体つきに目を奪われると同時に、彼に抱かれる緊張感に支配されていた。

身支度をしてくれる女中から、馬のそれが慣れた娼婦であっても気を失う程に辛いと聞いたのを思い出す。

心臓がドクドクと音を立てた。

彼は見上げる程に大きく、若々しい。

はそんな思いを隠し、恭しく頭を下げた。
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