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首輪をつける

第14章 夢の果てまで


その中から財布を取り出して開くと、幾枚もの札を覗かせひらりと拡げた。

「見ろよこれ、あいつ意外と金持ってんだな〜! 水揚げだから高めに値段付けたのに、すぐ予定埋まったからさあ……どんなやつかと思えばあの蛇男だろ。あいついきなり屋敷から消えるからさあ、どこに行ったかと思えばお前を追っ掛けてこんなとこまで来てたのな。あれは常連確定だな」

カルファはひーふーみー、と手早く札を数えながら饒舌に語る。

「ほれ。これお前の取り分な。誰かに盗まれたりしねーように大事に取っとけよ」

カルファは数え終わった札の中から、数枚引き抜いたかと思うとに押し付ける。

黙りこくるにお構い無しに、自分の役目は済んだとばかりに腰を上げ、

「次ももう客入ってるから、頑張れよ。貧乏、お前ならいける」

口角を上げる。

「もーずっと先まで予定いっぱいだぜ、お前。相乗効果で他の娼婦にも客が付くしいい事づくめだわ。……っと、そうだ」

踵を返していたカルファはふとを振り返った。

「お前早くシャワー浴びて化粧直しとけよ。そのままじゃ見るに堪えねえ」

「……大きなお世話ですよっ!」

は声を荒らげ、怒り心頭に枕をひっ掴む。

カルファに向かって思いっきり投げつけた。
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