第14章 夢の果てまで
「…………」
は目覚めると、泣いていた事に気がつく。
目元は赤く染まり、涙がシーツを濡らしている。
丁寧にされた化粧は剥がれ、美しく整えられた髪も、服も乱れ切っていた。
痛む身体を起こし、隣を見れば、空っぽの形に沈んだマットレスが物悲しがった。
二人で抱き合って眠ったはずのベッドに、ネアの姿は無い。
「どうだったよ、デビュー戦は」
ひょっこりと覗いた見慣れた金毛の猫の青年。
カルファはへらりと笑った。
「……なんでいるんですか」
カルファは質問には答えず、ネアの居たであろう箇所に躊躇なく腰を下ろす。
の苦々しい視線をものともせずベッドの上に胡座をかくと、質の良い革製の鞄を膝の上に置く。