第5章 逃げられません 死柄木弔
?「お前のことが必要だ。」
「……個性が必要なだけでしょ…怪我をしなくなったら、捨てるんでしょ…やだ……一緒にいたくない…。」
?「…」
すると彼は、顔に付いている手を取り、私の唇にキスを落とした。
「!…」
?「…俺のそばにいろ。それだけでいい。捨てたりなんかしねぇ。」
「……私は…」
話そうとしたところで視界がぼやけ、意識を失った。
*
「…んっ…。」(あ…頭痛い…っ…。)
目が覚め、体を起こした。
「…!?」(え…ここ…確か昨日お酒飲んでたBar…え…帰らなかった…?記憶がない…。)
?「起きましたか?」
「!?…あ…おはようございます…。」(え…誰…?)
黒霧「おはようございます。死柄木弔、起きてください。」
「!…」
机を挟んで奥のソファーに誰かが眠っていた。