第5章 逃げられません 死柄木弔
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「だから!誰も必要としてくれないの!!私なんて!面倒な患者は全部私に押し付けるし!駆けつけて間に合わなかったらぜ~んぶ私のせいにしてさ!!」
?「…人間ってそういうもんだろ。」
「そうだけど!!ちょっとは自分で仕事やれっつーの!!」
あれから…お酒を1杯だけ飲むつもりが、美味しくてどんどん飲んでしまい、見事酔っぱらってしまった。彼は隣に座ってくれて、私の愚痴を聞いてくれていた。
「…私…人の事治すことしか出来ないの……だから…それ以外は必要とされない……みんな…私の個性だけに興味があって……。」
20を超えた女が、ぼろぼろと涙をこぼして泣いていても、何も動じず、ただ隣に座って私を見つめてくれている。
?「…なら、ウチにくるか?」
「!…」