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【呪術廻戦】撫子に口付けを【短編集】

第5章 【五条/甘】撫子に口付けを




「ゲホッゲホッ……ちょ、さと……何それ私知らない!ちょっと待って!」


爆弾発言を残し、颯爽と去りゆく幼なじみの背を見ながら、思わず吹き出したプリンの処理をする。

それから、悟を捕まえて真相を聞き出し、ストップをかけようと思うものの、これが任務やらなんやらで捕まらない。しかも、1日経っただけで、五条家から感謝の電話までかかってくる始末。 

どうやら悟はお見合い話を片っ端から断り、結婚もしないし、子供も要らないと明言してたらしく、それがひっくり返ったものだから、悟の実家ではお祝いムードらしい。


「え、なに、これ……人生詰んだ?」


私の親も酒の席での口約束だったから真に受けると思ってなかったようだ。もうすでに悟から連絡がいったらしく、両親も『悟くんなら安心だ』と笑っていて、私は脱力した。


「そうか、悟は下戸だから酒の席でもしっかり覚えているか……」


軽くめまいと頭痛がする。伊地知さんや他の補助監督仲間には、悟が任務から帰ってきたらすぐ連絡を下さいと伝えた。

そもそも、当事者の私の意思は全スルーされている時点で異議申し立てをしたい。

頭を抱えて廊下を歩いていると、悟の生徒さんの虎杖くんに遭遇した。


「あ、夢野さん。こんちはー」


挨拶を返すと、おめでとうございますとお祝いを言われて嫌な予感がした。


「夢野さん、五条先生と結婚するんだって?昨日、先生機嫌良かったから聞いてみたら教えてくれてさ」


こっちもか!と情報の伝わり方の早さに衝撃を受ける。


「虎杖くん……私、悟から告白どころかプロポーズさえされてないんだけど」

「え……マジで?親公認って聞いてたからすでに婚約してんのかなーって思ってた」


虎杖くんさえ少し引いてるじゃないか。
あのチャランポラン男。幼なじみだからって本当に許さない。次に会ったら首絞めてやる。


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