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【呪術廻戦】撫子に口付けを【短編集】

第16章 【直哉/ if /17巻ネタ】反撃のルナール




初めて直哉を見たのは、禪院家の宴の席だった。

次代当主候補として注目を集める彼は、周囲に媚びることなく、傲慢な笑みを浮かべていた。


普段は悪辣で口汚く、努力をしているところはさっぱり見せないくせに。

強者蠢く禪院家の中で泥くさく藻掻き、力を欲するあなたの生き方を愛した。


血で血を洗う禪院家の権力闘争。


その中で、彼は決して油断せず、常に牙を研いでいた。

誰よりも強さに執着し、誰よりも高みを目指していた。その飢えた眼差しに、私は心を奪われた。



それがどうだろう。今のあなたは。



禪院家の屋敷は、かつての威厳を失っていた。

ほとんど壊滅状態だ。廊下を歩けば、壁には荒い刀傷が残り、庭には戦いの痕跡が生々しく残っている。

大量の血が飛び散ったのは想像に難(かた)くない。

いまだ庭の芝生の一部に点在する赤をぼんやりと見遣る。



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