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【呪術廻戦】撫子に口付けを【短編集】

第14章 【虎杖/コミュ提出物】ヘレボルス



「虎杖!」


精神的に限界を迎えたゆめが意識を失った直後、病室の扉が勢いよく開かれた。

息を切らして駆け込んできたのは恵だった。


「……無事だったか」

「おう、何とか。ゆめが呪われて意識失ってる。早く新田さんに連絡して、家入さんのとこ連れていかねーと」


その言葉に、恵は安堵の表情を浮かべながら頷いた。

それから、2人は新田明を通して高専へ連絡を入れて呪物回収の要請を行い、高専の医師である家入硝子のもとへゆめは搬送された。

恵が中庭の木の呪霊を祓除したおかげで、取り込まれていた行方不明者も全員が搬送された。

衰弱していたものの、社会復帰は可能であるとの高専の見立てに、彼らは胸をなでおろした。


「そういや、戸奈 海が呪詛師だった」

「戸奈?最初に恵が聞き取りした奴だよな?」

「星の女神は自分だと言ってた。とっ捕まえて、玉犬に見張りをさせてるとこだ。恐らく、呪霊を一体だけ自分の支配下における術式を持ってる。そして、アイツを唆(そそのか)した奴が他にいる。変声する呪具も持っていたが、高専の取り調べで黒幕が明らかになるだろ」


恵の話に悠仁は安心した笑みを浮かべ、小さく息を吐き出した。

ゆめの行く末が心配だが、彼女ならば現実に向き合っていけると信じている。


「あ、スマホに釘崎から連絡きてる」

「なんて言ってんだ?」

「えーっと、『五条先生が高級クリスマスケーキ用意してくれてる』だって」

「夜中だし、さすがに帰ってからクリスマスパーティーはしないだろ」

「えー、俺ケーキ食いたい」


そんなくだらない会話を交わしながら、病院を後にした。

雪が降りしきる夜道を歩きながら、双方が今回の任務に関して思うところを考える。




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