第12章 11
少し気にはなったけど私は普段通りに話しかける。
触れてほしくない事かもしれない。
私たちは話しながらキッチンに向かった。
ドレスローザまでは、まだまだかかる。
ルフィは早くも退屈そうだったが、私たちはそれぞれ時間を潰すことになった。
朝ごはんを食べて、後片付けを終えると私はルフィにお礼を言った。
本音を言えば、隣で眠ったはずのルフィが、朝起きるといなくて
寂しかった。
でもルフィはいつも通りの様子だった。
私はまたゾロとトレーニングをした。
ゾロと同じメニューは出来るはずもないが、少しでも真似をして挑戦してみた。ゾロは刀の持ち方も教えてくれた。
暇を持て余したルフィも参加して、トレーニングは勝負に変わる。
無人島での修行を思い出す。
ルフィはもちろん能力なし。ゾロも刀なし。2人とも目隠し。
私が2人のどちらかに触られば勝ち。
どれだけやっても一勝も出来なかった。
私はついに膝をついてしまう。
ゾ「根性は認めてやるが、基本的に動きが遅いな。せっかく見聞色の覇気が使えるんだ。もっと強くなれるはずだ。」
ル「しししっ、ゾロは厳しいなぁー。」
『うん。頑張ります!2人ともありがとう。』
こうして私はゾロとルフィに修行をつけてもらったり、サンジとお料理をしたり、ルフィとウソップと釣りをしたり、もものすけと遊んだり、ナミとロビンと話したり、本を読んだりして過ごした。
船首に寝転がるルフィに捕まって一緒に景色を眺める事もよくあった。
能力の使い方はローに教わった。
キュアキュアの実は癒しに特化した能力のようだった。
病気が治ったお陰で、今まで自分の体のみに使われてきた能力を
人のためにも使えるようになった。
キュアキュアの実は人の傷や病気はもちろん、人の心の傷癒すことが出来る。
人以外にもありとあらゆるものの傷を癒すことができるのだ。
もちろん限界があるし、能力を使えば使うほど体力も使う。
ローに能力を使う感覚を教えてもらい、段々と能力がコントロール出来るようになってきた。
私の能力は使いたい時に手のひらを触れるだけで使えるようだ。
それ以外にも見えている範囲内にある対象の人や物に意識を飛ばすと、見えない空気が包み込むようにして傷を癒すことも出来た。
体力の消耗は激しいが、癒しの力を持った生物を作り出し操ることもできるようになった。