第26章 25
ローは少しバツが悪そうに帽子を深く被り直した。
そしてまた私を抱きしめた。
『そろそろ戻らなきゃ!明日からの作戦も立てないとだし、シャチさんとペンギンさんに麻酔銃の使い方教えてもらう約束してるんだ。』
ロー「俺よりシャチ達を取るのか?」
私は何とか顔を上げてローの顔を見るとローの顔はほんのり赤くなっていた。
『ふふっやきもち?あと少しだけだよ!』
照れながらも甘えてくるローが何だか可愛くて、私はしばらくローに抱きしめられていた。
ローが可愛くて自然と顔が綻ぶ。
しばらくするとローは腕の力をゆるめた。
ロー「わがまま言って悪かった。」
『大丈夫だよ。先にハート海賊団にお邪魔しようかな。』
私は歩き出すとローに腕を掴まれた。ローの方にに引っ張られ顔を掴まれあっというま間にキスされてしまっていた。
びっくりして抵抗すると一度唇は離された。
ロー「好きな女に子供扱いされるのは気くわねぇ。」
再び唇が重なる。
いつもより荒々しいキスだった。ローの舌が口内を這う。
与えられる快楽に抵抗出来ず、私はローの服を握りしめるのが精一杯だった。
ロー「フッ、エロい顔。」
ローはこう言うと私の首筋に顔を埋めた。
ちくっとした痛みが走った。
何をされたのかわからない私をよそに、ローは満足そうに歩き出した。
私はきっと真っ赤になっているだろう。さっきまでの余裕は全くなくなってしまった。
ロー「ボタンしっかりしめとかねぇと丸見えだぞ。」
ローは部屋の隅の壊れた鏡台を見ていた。
私も鏡を覗きこむと、首筋のブラウスで隠れるギリギリのところに赤い内出血があった。
まだ火照りの冷めていない顔がよりいっそう熱くなった。
私でもこれがキスマークだということは知っていた。
私は恥ずかしくて何も言えないでいると、ローは私のブラウスのボタンに手をかけた。
ロー「俺は見られてもかまわねぇが、、、閉めとくか?」
わたしが頷くと、ローは一度その長い指で自分が付けた跡をなぞってからボタンを閉めた。
恥ずかしさから何も言えなくなってしまった私の手を引いて、ローは歩き出した。
『ローのバカ』
しばらくしてやっとひと言文句を言ってもローはフッと笑っただけだった。
ローが能力を使わなかったおかげでハート海賊団のところに着いた時にはなんとか顔の火照りは鎮まっていた。