第12章 11
NAME1#サイド
私たちは出航の準備をしていた。
とても天気のよい日だった。
ここからドレスローサまでの食糧などの買い出し、船のメンテナンス、航路の確認、みんな忙しくしていた。
そしてこれからの作戦会議が始まった。
ひとまずはシーザーを引き渡す条件をドフラミンゴに提示する。
引き渡しの条件はドフラミンゴの七武海脱退だ。
七武海を辞めれば、ドフラミンゴは海軍大将から狙われて国王を辞めなければいけなくなるし、闇取引どころではなくなるだろう。
ローはでんでん虫を使ってドフラミンゴに接触する。
私たちも会話を見守る。
でんでん虫越しにもドフラミンゴの怒りが伝わった。
1週間後の朝刊までにドフラミンゴの七武海脱退のニュースが出れば、グリーンビットというドレスローザから少し離れた島でシーザーを引き渡すと約束した。
一度でんでん虫を切る。
ローは何か思い詰めた顔をしていた。
ローに「大丈夫?」と聞くと「大丈夫だ。」と答えた。
相手が相手だ。
ウソップやナミやチョッパーも緊張していた。
私も、かなり不安だったが精一杯顔に出さないように努めた。
準備を終えた船は島を出航した。
緊張感の全くないルフィは「今日のは甲板で食べよーぜ!」と言って、晩御飯はバーベキューとなった。
私はルフィにマフラーを渡そうとルフィを探していた。
すると船首に座るルフィを見つける。
名前を呼ぶと手が伸びてきてあっという間にルフィの腕の中にいた。
『わぁー綺麗!』
目の前の水面がキラキラ輝いていた。
ル「だろ?ここからの景色は最高なんだよ!どうしたんだ?」
『これ、ルフィにプレゼントしようと思って』
私はルフィにマフラーを渡す。
「マフラーか?俺、誕生日でも何でもねぇぞ。」
ルフィは不思議そうにしていた。
『そうなんだけど、日頃の感謝の気持ちだよ!寒い時に使ってくれたら嬉しいなって!』
ル「しっしっしっ、っそうか!使うの楽しみだなー」
『よかった!気に入ってくれて。』
すると、ルフィは後ろから急に私を抱きしめて声を落として言った。
ル「俺がドフラミンゴをぶっ倒すから安心しろ。」
さっき感じた不安がルフィにはバレていたのだ。
『ルフィ、ありがと。さっきは少し不安にもなったけどルフィがいるから大丈夫だって思えるよ。』
私はお腹に回された手を握って言った。