第10章 9
ローサイド
2年前、ある女が賞金首になったニュースを知った。
写真に写る女はとても優しい顔つきだった。なんでも森の天使と言われていたらしい。こんな女が天竜人を撃ったのかと驚いた。
シャチとペンギンに至っては手配書の取り合いをしている。
白い肌に白い髪、海のようにも空のようにも輝く瞳。
医学書で見たティアル族に違いないと思った。
ティアル族の中でもこの瞳の色で生まれてきた子供は12歳ごろまでに命を落とすとされていたはずだ。
手配書な彼女は20歳ぐらいだろうか。
どんな医療を受けたのだろう。病気は完全に治っているんだろうか。興味が湧いた。
俺自身、不治の病を悪魔の実の能力で治した。この能力を手に入れた以上同じ境遇の奴がいたら助けてやりたいと思っていた。
このオペオペの実を与えてくれた恩人も、それを望んでいるような気がしていた。
まぁ、この女の場合すぐに捕まるだろうと思った。
ALIVE ONLY か、天竜人の底知れぬ欲に吐き気がした。
しかし、ニュースの事はいつの間にか忘れていた。
パンクハザードでを見た時、やっとそのニュースを思い出した。
あの女は麦わらの一味になっていたのか。
麦わら屋に同盟の提案をしシーザーの誘拐を企てた。
俺はSAD製造室を破壊する。
そして、コラさんの本懐を果たす。
何とかSAD製造室を破壊し、シーザーを捕まえ、毒ガスからも逃げ切った。
俺は、子供達の治療をした。
モチャという子供は重症だと思っていたが、大した覚醒剤の影響は出ていなかった。
トニー屋はあの状況でどんな処置をしたのか。
は寝ていると言う。
やはりティアル族は何かしらの病にかかっているのかもしれない。
起きてからでも診察させてくれるだろうか。
そして俺は麦わら屋の船に乗りパンクハザードを出た。
が急変した。
俺が医務室に駆けつけた時には息をしていなかった。
急いで能力で体を調べる。
の体はよく今まで生きてこられたなと思うほど弱っていた。同時に修復する力も高い。
こんな事出来るのは、悪魔の実くらいだろう。
キュアキュアの実の能力者なら、自身の身体を修復していける。
このままではこいつは死ぬ、、、、
俺はに人口呼吸をした。