第10章 9
サイド
目が覚めると私の手を握るルフィの寝顔があった。
ルフィの目が腫れている事に気がつく。
頬には涙を流した跡もある。
私、眠っていたら急に苦しくなってそこからの記憶がない。
苦しかった体は今では良くなっている。
ロー「起きたか。」
医務室にあるテーブルからトラファルガーさんの声が聞こえた。
トラファルガーさんは、読んでいた本を閉じるとこちらに向かってきた。
ロー「具合はどうだ?」
『元気です!でも私眠っていたら苦しくなってそこからの記憶がなくて。』
私はルフィに目線を移す。
ロー「寝かしといてやれ。お前が急変してからついさっきまで、2日も寝ずに看病してたんだ。飯も食わずにな。」
私は驚いてルフィを見つめた。何があったのだろう。
トラファルガーさんは私に起こった事を話してくれた。
急変し、命が危なかった事。
その時に私の体を調べた事。
ティアル族の話は事実で悪魔の実の力で今まで生きてこれた事。
悪魔の実の能力にも限界が迫っていた事。
そこで、オペをするために島に上陸した事。
オペは無事、成功した事。
そんな事が起こっていたなんて思ってもみなかった。
それに私は、まさか自分が能力者だとは思ったいなかった。
そんな実を食べた記憶はない。
ただ、モチャの手を握っている時に、体が熱くなりこのまま願えばモチャの体調が良くなる気がしていた。
ルフィが無人島で大怪我したときも似たような事があった。
私は自分が死にそうだなんてちっとも思っていなかった。
トラファルガーさんのおかげで生きてるんだ。
『トラファルガーさん、本当にありがとうございます。』
私は起きあがろうとする。
ロー「無理に起きなくてもいい。寝てろ!医者として当然の事をしただけだ。」
『島に停泊してても大丈夫なんですか?せっかくシーザーを捕まえたのに。」
ロー「俺たちは運がよかった。この島にいれば何の問題もない。
だから、気にするな!
麻酔はとっくに覚めてもいいはずなのになかなか起きないから心配したんだ。だが、おそらくは眠る事で悪魔の実の能力が高まるんだろう。少し診察するぞ。おい!麦わら屋起きろ!の目が覚めたぞ!」
ルフィが飛び起きる!
少し寝ぼけているルフィと目が合うと寝たままの私を抱きしめた。