第10章 9
ルフィサイド
俺はの頬を泣きながら何度も撫でていた。
本当に生きていてよかった。
先程のぐったりしたを思い出すとまた苦しくなる。
こいつは自分の能力の事を知っていたのかな。
今まで散々、話してきたけどその話は一度も聞いたことがなかった。
俺が大怪我した時の事を思い出す。
思えばこいつは船に乗ってから無茶ばかりしてたもんな。
ウソップから聞いた話だと、魚人島での戦闘でも住民を守って危なかったらしいし、パンクハザードでも子供達守ろうと必死だった。
俺も食らったシーザーの必殺技をも受けていたなんて。こんな弱っちい体で。
よく立ってられたよな。それでも子供達を守るからと言い切ったの目の意思は固かった。
は強くて、そして脆い。
無人島の時からずっとそうだ。
放っておいたら、すぐにでも死んでしまいそうだ。
だからだろうか。俺はが気になって仕方ない。
を守るのは俺がいい。
仲間のみんなとすぐに打ち解けているに安心すると同時に少し寂しかった。
普段飲まないお酒を飲んで、無防備な姿を俺以外に向けるに腹が立った。
それに今回、死にそうなを助けたのはトラ男だ。
人工呼吸のシーンを思い出し手に力が入る。
無人島ではずっと俺の側にいた。
修行して、飯食って、話して、遊んで。
を見つめれば、いつも柔らかい笑顔を見せてくれた。
サニー号に乗ってからははすぐにみんなと仲良くなって俺との時間は少なくなってた。
俺の好きな笑顔はみんなにも向けられている。
なぁ、、早く起きてくれよ。
俺、なんか苦しいよ。お前が笑ってくれたら治ると思うんだ。