第8章 7
さんが俺の分まで用意してくれた。
今までみんなが食べ終わってから食べることが多かったし、こんな事されたのが初めてで少し戸惑ったが、結局2人でカウンターで食べた。
さんはまだ俺の料理を褒め続けてくれている。
その幸せそうな顔は、めちゃくちゃ可愛かった。
ごく自然な流れで片付けもしてくれるさん。
レディに片付けなんかさせてられねぇと思う反面、せっかくの2人きりの時間を無駄にはしたくないなんて思っていた。
レディとは早く仲良くなっておきたい。
すると、ルフィがきてさんを連れ出してしまった。
俺の事を気にしている様子だったが俺がすぐ行くと言うとありがとうと言って行ってしまった。
せっかくのクジラの大群。飲み物を用意してから甲板へ向かうと
ちょうどよろけたさんをルフィが支えていた。
ルフィは距離感が近い。ナミさんやロビンさんにくっついているのをみると、すぐに離れろーと言えるのにさんの時だと何故か言えなかった。
2人には俺が割って入れない何かがあった。
俺はただモヤモヤとした気持ちのままドリンクを配った。
『サンジ、ありがとう。凄くいい香り!』
ルフィの側で嬉しそうに笑うさんと目を合わせられなかった。