第7章 6
私はエースに生きていてほしかった。
もう、会える事はないかも知れないと思いながらも、ここまで頑張れたのはエースが生きていたからだ。
エースの存在だけで私は頑張れた。
それに、エースは何度も私を助けてくれた。
今度は私がエースを助ける!
一晩寝れない夜を過ごして出した答えだった。
世間では白ひげ海賊団が助けに来るんじゃないか!とか全面戦争になるとか、エースのニュースで持ちきりだった。
私は助ける方法はないかと必死に考えた。
この時ほど自分の弱さを痛感した事はなかった。
どう頑張ったって、厳重に警護されているエースを取り返す方法は思いつかない。
私は、処刑反対の文書を作成した。
ひまわりを守ってくれた一件や、エースが民間の人には手を出していない事などをまとめて、公開処刑は刑が重すぎると主張した。
そして署名活動をする事にした。
村のみんなは快く署名してくれた。
それから早起きしてひまわりの仕事を急いでこなし、私はシャボンディ諸島の街中で署名活動を続けた。
世間での海賊へ対する風当たりは強い。
「海賊なんかに同情できるかよ」
「俺は処刑には賛成なんだ。海賊が一人でも減って清々するよ。」
署名はなかなか集まらなかった。それでも活動を続けた。
活動を続けなければ自分を保っていられなかった。
処刑の前日にやっと500名ほど集まり私は急いで海軍本部へと向かった。
おじいちゃんに渡したかったがおじいちゃんは留守だった。
おじいちゃんの孫のだと名乗ると海兵用の入り口から中に入ることが出来た。
しばらく待たせて貰っていると、声をかけられた。
「ガープさんの孫らしいのぉ。ガープさんは今日は戻ってこんぞ」
振り向くと海軍のコートを着た背の高い男の人がいた。
すごい威圧感だった。
『はじめまして。と言います。』
「わしゃ、海軍大将のサカズキだ。ここはお前さんのようなもんが足を踏み入れる場所ではない。はよ帰らんか」
海軍大将、、、私は意を決してしゃべった。
『私、おじいちゃんにこれを渡したくて。エースさんの処刑反対の署名です。私の村はエースさんに助けて頂いたことがあるんです。
エースさんが海賊なのは承知していますが、公開処刑は刑が重すぎますす。」
緊張のあまり一気に喋った事に後悔した。