第7章 6
の両親の話、ティアル族の話しも聞いた。
両親が何者かわからないのも辛いだろうな。
それに人攫いか、、、
確かには綺麗だし人攫い以外にも変な男が寄り付きそうだ。
やはり夜は出歩かないでほしい。
村の子供達は俺らの事をヒーローか何かだと思ってる所がある事には気づいていた。
ヒーローは見返りを求めず人を助ける奴だろ。
子供達のヒーローになる分にはいいが、にヒーローだと思われるのは気に食わない。
俺は男としてに見返りを求めてる。
その綺麗な瞳にに映るのは俺だけでいてほしい。
を上に向かすと動かなくさせ、もうすっかり腫れのひいた艶やかな唇に自分の唇を押し当てた。
は恥ずかしそうに俺の胸に顔を埋めている。
そんな事されて理性を保ってられるのは、俺ぐらいじゃないかと思う。
好きな奴って言葉に驚く。
たびたび言ってただろ。
答えを聞くのは今じゃないと思った。
は今やっと俺を男として認識したんだろう。
また、いつか会える時に聞かせてくれ。
次の日、船に向かう。
ひさびさに見る自身の海賊船に懐かしさを覚えた。
気持ちは前を向いていた。
鬼の子と言われ、生きていていいのかすら悩んでいた。
名を上げて世間に存在をしらしめる為に戦ってきた。
それがとの出会いにより肩の荷が降りた気がした。
もっと自由に海賊を楽しもうと。
この船には乗らないが、の笑顔や温もりはいつでも思い出すことができる。
俺は笑って手を振った!
も笑っていた。
船は少しずつ海の中へ潜っていく。