第6章 5
エースサイド
治療が終わった船医に状態を確認すると、重度の火傷をしている様だが命に別状はないらしい。
後は目が覚めるのを待つだけとの事だった。
の顔を覗くと顔は煤で汚れているし、涙を流した跡があった。
の顔を拭く。
気づけば俺は泣いていた。もう、泣かせないって思った矢先命まで危ない目に合わせてしまった。
早く起きろよ。起きてくれよ。
俺は飯も食わすにの側にいた。
リリーは何だかニヤニヤしながらじゃあお願いね!と出ていった。
するとデュースが遠慮がちに部屋に入ってきた。
船のコーティングが終わりいつでも出航出来るとの事だった。
俺は、村の修繕などを手伝っている仲間の元へ向かった。
仲間を集めると俺は、頭を下げた。
俺のわがままなのは承知の上での目が覚めて元の生活に戻るのを見届けてからこの島を出たいと言った。
俺の話を聞いて先生が1番に同意してくれた。子供達を心配してるんだろう。
他の仲間達も仕方ないなぁと了承してくれた。
デュースが側に来て出航を待つのはいいとして、俺に何か食べろ、それから村の修繕を手伝えと言ってきた。
の目が覚めた時、今の俺じゃ逆に心配かけるぞと。
それからは俺はきちんと飯も食べて、修繕作業を手伝った。
は結局リリーが見ている。
はまだ、目を覚ましていない。
このまま目を覚さないんじゃないかと心配になる。
船医は何も問題はないと言っている。
しばらくして、リリーが走ってきてが目覚めたと知らせてくれた。
俺は急いでの部屋へ向かいドアを開けた。
が申し訳なさそうに微笑んでいた。
俺はの両手を掴んだ。
が生きてる実感が欲しかった。
目が覚めても周りの心配にばっかしやがって、、、
俺は泣きそうになるのを必死で耐えた。
に頭を撫でられると昂っていた色んな感情がすっと落ち着いていくようで只々、が目を覚ました事に安堵した。
よかった。ホントによかった。