第2章 1
は持ち前の知識を活かし、森で木を集めつつイカダを作っていた。
時折、獣の唸るような声が聞こえていたが手を止める事はなかった。
一晩かけてイカダの完成が見えてきた頃、突然後ろから大きな大きなオオカミのような生き物に首を噛みつかれた。
痛みで気を失いそうになる寸前にリリーの顔が浮かぶ。
何とか意識を保ち集めていた木の枝で応戦するが勝ち目などあるわけがなくオオカミのような生物は前脚を振り下ろす。
は死を覚悟して目を瞑る。
ル「ゴムゴムのぉーーージェットピストル!」
目の前で何かが倒れる音がして目を開けると大きなオオカミが倒れていた。
は恐怖で座り込んでしまい全く動けなくなったいた。
ル「大丈夫か?」
ルフィはの前に手を出す。
ルフィはまだ見聞色の覇気を習得していなかったが、夜が明けるにつれて活発になる猛獣達の動きを感じとり出来るだけの近くに待機していた。
はありがとうと言ってその手を取るが、足に力が入らず起き上がれずにいた。
するとルフィはひょいとを担ぐと集めていた木まで一緒に拾って浜辺まで運んでくれた。
ル「お前すげーな!いかだができそうだ!」
作りかけのイカダを見てルフィが言った。
『あと少しで完成しそうなの。早く行かなきゃ』
『助けてくれて本当にありがとう!』
は作業を再開しようするが、噛まれた首筋に激痛が走り思わず顔をしかめる。
死に直面した興奮状態から覚め、痛みはどんどん強くなりは気を失ってしまった。