第6章 5
エ「ああ。何となくはわかってたよ。そんなに惚れてるんだ。仕方ないな。」
エースは涙を拭ってくれた。
エ「これから出航までの夜、空けとけよ!お前、夜出歩いた事なかったんだろ。俺が守ってやるから。行きたい所考えとけよ。」
『へへ、嬉しい!ありがとう!エース。』
私は一生懸命笑って答えた。
それからエースは昼間は買い出しなどで忙しくしていても夜にはを迎えに来て2人で出掛けて行った。
夜行虫が輝く浜辺やシャボンディ諸島の中心街の夜景が見れる高台など色々な所の景色を目に焼き付かながら二人は話した。
エースは天竜人に撃たれた兄弟の話、そして自分の父親が海賊王だと言う事も話してくれた。
いつもより頼りなく話すエースの表情をみて私はエースの髪を撫でる。
エースはもっと、とせがむように私の膝を枕にしてくる。エースの柔らかでクセのある髪を何度も撫でる。
『話してくれてありがとう。辛かったね。もう大丈夫だよ。』
エースが私の髪を撫でてくれると私はそれだけで安心できた。
今度は私がエースを安心させてあげたかった。
エースの過去に、これ以上なんて言葉をかけたらよいかわからなかった。
ただただ、エースの傷が少しでも癒えてくれたらなと思っていた。