第5章 4
は嬉しい!と笑うと俺を客間に案内し、キッチンにお茶を準備しに行った。
ここで暮らす子供達が庭で遊んでいる賑やかな声がした。
お待たせしましたとお茶とお菓子を持ってが帰ってきた。
俺はお礼を言った。
初めて出会うタイプのに柄にもなく少し緊張した。
しかし、話していくうちにすぐに打ち解けた。
エースさんと呼ばれるのが小っ恥ずかしくてエースと呼んでくれとたのんだ。
『エース』と呼び、へへっと恥ずかしそうにするが可愛らしかった。
ひまわりの子供達とも打ち解けて晩飯まで食べさせてもらった。
もうそろそろ帰った方がいい時間だろうが、なんだか帰りたくなかった。
たまには穏やかな時間を過ごすのも悪くないなと思った。
が泊まってくれと言ってきた。
もう少しみんなと過ごしてみたかったので嬉しかった。
その反面、の人懐っこすぎる性格を少し心配した。
海賊の男を子供達がいるとは言え簡単に泊めてもいいのか。
他の男にもはこんな感じなのか。
少しもやもやしたが、顔には出さずにやり過ごした。
子供達が寝てからもと話し込んだ。
は先代の院長の後継人として、色々悩んでいる様子が話の所々で感じられた。
それでも後ろ向きになるわけでもなく、自身の目標のため前向きに頑張る様子は素直に応援したくなった!
この時すでにに惚れてたんだろう。
しばらくすると、が時計を気にする様になった。
さすがに眠いか、と思い聞いてみると、リリーというの妹的な奴がまだ帰って来ないらしい。
決められた帰宅時間を過ぎていると心配そうにしていた。
探して来るという。
1人は心配だ。一緒に行きたかったが、子供達をお願いされた。
俺に子供達を預ける事を謝りながら、は行ってしまった。
しばらくすると、子供が起きてきては?と聞いてきた。
少し出かけていると言うと、は夜、出歩く事をガープさんに止められてるんだよ。と教えてくれた。
理由を聞くと、は人攫いに狙われてると言った。
嫌な予感しかしない。