第25章 24
俺はを釣りに誘った。
釣りっていうのは口実でと2人になれるなら何でもよかった。
は後片付けをしてから少しだけならと言ってくれた。
が片付けをしている間も俺はずっとキッチンで過ごして、とトラ男と3人で話した。
を独り占めしていたトラ男には腹が立っていたが、新世界まで俺たちとは全く違う航路を進んできたトラ男の話は面白かった。
と2人の時間はあっという間だった。
トラ男に抱きしめられていた事で腹が立っていた俺は、竿を持つを後ろからずっと抱きしめていた。
それでもは、安心しきっているようで俺に体を預けてきた。
俺だって男だぞ。
こんなに体を密着させてると、キスの続きがしたくなる。
キュロスの家でキスをした時は真っ赤になっていたが、もっと深くキスをすればはどんな顔になるのだろう。
想像しただけで体に熱がこもる。
それでもを傷つけることはしたくない。
俺は何とかいつも通りに接した。
と2人きりなれた事で俺の気持ちはだいぶ落ちついた。
それでも夜になるとが部屋に入ってしまい寂しくなった。
あいつ、また嫌な夢見てうなされてないかな。
まぁ、嫌な夢を見たなら俺のところにくるだろうしな。
日頃から女部屋は入ってはいけないとナミに言われていたので、俺はに会いに行くのは諦めた。
バルトクラブの奴らはすげー俺たちの事を慕ってくれていて、いつも色んな奴に話しかけられたりして賑やかに過ごした。
いつも自然との事を目で追いかけてしまう。
は船の手伝いをいっぱいしてくれていた。
それに暇さえあればゾロとトレーニングをしていた。
ある日、急に天気が悪くなって拳ほどの大きさのひょうが降って来た。
この船に航海士はいなくてみんなただただひょうが船に当たらないようにすることしか出来ねぇでいた。