第5章 4
さらに、その頃リリーの様子がおかしくなっていた。
リリーは9歳の頃先代の院長に連れて来られた。
私と年が近いこともあり、すぐに仲良くなった。
リリーは階級の存在する国で生まれた。
リリーの家計は昔から女の子が多く生まれる家系だったらしく中流階級のリリーの両親は娘達を上流階級の家に嫁がせる事で地位を保ったいた。
そのため、小さいころから上流階級の嫁に選んでもらえるようにと勉強はもちろん、マナーや教養を叩き込まれた。
しかし、リリーは活発な性格の女の子で度々、勉強をサボっては男の子の友達と闘いごっこなどをしていた。
そして、戦いごっこの途中で上流階級の男の子に怪我をさせてしまった。その子の家にはすでにリリーの姉が嫁いでいた。
怒った男の子の親は、姉との婚姻関係も破断にすると言い出した。
リリーの両親はリリーを国から追放することを条件にその場を収めた。
そしてひまわりに連れてこられた。
最初こそ尖っていたが、ひつこく喋りかけていくうちに仲良くなり
子供達の面倒をよく見てくれていた。
しかし、最近は夕方に出かけて夜遅くに帰るようになった。
服装も派手だ。
子供達が寝てからもエースとは話し込んでいた。
しかしこの日は夜中になってもリリーが帰ってこない。
そわそわしだすにエースはどうかしたかと聞いた。
はリリーが帰ってきていない事を話し探しに行ってくるから子供達を見ていてほしいと頼んだ。
エ「リリーがいる場所の検討は付いてるのか?一緒に行った方がいいんじゃないか?」
エースは心配そうに聞いてくれたが、子供達だけには出来ないし、居場所には心当たりがある。とエースに伝えるとエースは、気をつけろよと送り出してくれた。
『ホントにありがとう!』
と頭を下げると
エ「気にするな!」と笑顔で答えてくれた。
私は、急いで村にある診療所へと向かった。
院長が病気をして診療ができなくなってから急に現れた息子さんではあったが村の人からの信頼も厚かった。
リリーはそこの息子さんと付き合っているようだった。
付き合い出した時、顔を真っ赤にして報告してくれたのだ。
しかしそこからリリーは変わってしまったのだ。
最近では私が話しかけても目も合わせてくれなくなっていた。
診療所に着くと入り口のドアが開いていた。