第5章 4
サイド
途中、ルフィの傷の手当をして、2人で景色のいい丘の上まで来て腰を下ろした。
私がエースの名前を呼びながら泣いてしまっていても何も聞かずにいてくれたルフィ。
どうしてここまで優しいんだろう。
ルフィはもしかしたらまだエースの話は聞きたくないのかも知れない。
それでも、ルフィに話を聞いてほしかった。
ルフィがエースの話を聞かせてほしいと言ってくれた。
重なる2人の声に2人は笑った。
エースとは3年前に出会った。
ガープおじいちゃんから私の話を聞いていたらしく同じくガープさんの孫として会いに来てくれたらしい。
彼はスペード海賊団の船長をしていた。
これから魚人島に向かうべく船をコーティングするため3日ほどシャボンディ諸島に滞在するみたいだった。
私は、エースさんを広間に通して色々な話をした。
おじいちゃんのスパルタ教育の話や弟の話、これまでの冒険の話。
お互い人懐っこい性格ですぐに打ち解けた。
子供達もすぐにエースに懐いた。帰らないでとせがむ子供達を見て、
『よければ泊まって行きますか?』と聞くと快く承諾してくれた。
豪華なご飯は出せなかったがそれでもエースさんは途中で寝落ちしながらも完食してくれた!
この頃、私はひまわりの運営にとても悩んでいた。
先代の院長はやはり偉大だった。
わたしは理想と現実の間で悩んでいた。
私は、シャボンディ諸島で育つ中で天竜人の存在、人身売買や差別に疑問を抱いていた。
特にそう言った問題が子供達に降りかかる事に納得がいかなかった。
ある日、ひまわりの入り口に魚人の赤ちゃんが置かれていた。
シャボンディ諸島で魚人族は差別されていて、もしひまわりでこの子を育てれば村のみんなもよくは思わない事は簡単に想像できた。
それでも私は放っておく事が出来ず、ひまわりで育てる事を決意した。
名前をベンと名付けた。
ベンは太刀魚の巨人だった。
ひまわりの子供達は最初こそ近づかなかったりしたが、次第に一緒に面倒を見てくれたりするようになった。
しかしベンが庭で遊ぶようなると村の人達にベンの存在がバレてしまい、早く追い出すように言われた。
私は何とか村の人達を説得してみだが、追い出さないのなら支援はしないと様々な支援を打ち切られた。