第24章 23
俺は再びを抱きしめた。
これ以上はダメだ、、、
自分に言い聞かせるために、無言での髪を撫で続けた。
も顔を見られたくないのか俺の胸に顔を埋めていた。
先程のキスををは受け入れていた。
そして、せがむように俺の背中に手を回した。
酒が入っていたからだろうか。
嬉しかった。
しばらくしての寝息が聞こえてきた。
この状態で寝たのか。こいつ。
対して俺は興奮してしまい寝れなくなってしまっていた。
少しすると、はまた夢にうなされ出した。
俺は抱きしめる腕に力を込めた。
しかし、はいつもより苦しそうだった。
『エース、、、リリー、、、私が助けるから、、、
死なないで、、、お願い、、、』
はっきりと聞こえた寝言は、俺の名ではなく別の名前を呼んだ。
無意識に俺のシャツを必死に掴んで泣き出した。
昼間ゾロ屋に言われた事で何か思い出してしまったのだろうか。
俺は何とかを落ち着かせようと、背中を摩って声をかけた。
『、今見ているのは夢だ。大丈夫だ。』
しばらく泣いた後、はやっといつものように眠った。
俺は涙の跡が残るの頬を撫でた。
俺はあまり詮索するのは好きではない。
それはに対してもそうだった。
新聞に出ていた範囲で、天竜人を撃ち賞金首になり、その時の事件で孤児院の女も死んでしまっていた事は知っていた。
が天竜人を撃つなんて何かあったに違いないとは思っていた。
しかし、俺からその事件の事を聞く事はなかった。
も俺の過去を聞く事はほとんどなかった。
リリーとは孤児院で一緒に育った奴だろう。
と話している時に名前が出てきたことがあった。
なかなかおてんばなだったとか言ってたな。
そう話すはすごく悲しそうで、詮索はしなかったが、事件で死んだ奴なのかと想像していた。
おそらく、殺したのは天竜人だろう。