第24章 23
「ゾロ、待って!私、頑張るから。」
が叫んでいる。
は今にも泣き出しそうだった。
俺は腹が立ちゾロ屋の元へ向かった。
ちらりとを見ると鼻屋に慰められているようだった。
『あれだけ必死にトレーニングしてきた奴によくあんな言い方出来るな。』
俺はキッチンの棚から酒を取ろうとしていたゾロ屋の後ろ姿に話しかけた。
ゾロ屋「お前には関係ないだろう。」
ゾロ屋は振り返り俺を睨んだが、その表情は悲しげだった。
ゾロ屋「お前なら、敵がカイドウだとしても、いつまでもあいつを守り続けてられんのか?あいつを守るのは仲間である俺らの役目だ。俺は俺のやり方であいつを守る。」
ゾロ屋はキッチンから出て行く時に俺の肩に手を置いて言った。
ゾロ屋「あいつは、俺らの仲間だ。同盟相手のお前には関係ねぇ。」
『俺なら仲間にはあんな顔をさせねぇけどな。』
俺はゾロ屋を睨んだ。
すると、ゾロ屋は鼻を鳴らしてどこかへ消えた。
ゾロ屋にはああ言ったものの、ゾロ屋の表情からもゾロ屋なりにの事を考えての事なのだろうと理解した。
そして、あいつが言う通り、俺はただの事が好きなだけの関係なのだと思い知らされた。
俺は少し一人になり冷静になってから、甲板へ戻った。
が麦わら屋に抱きしめられていて俺は腹が立った。
は泣いているのだろうな。
俺が先にと出会っていたら、は今頃ハート海賊団のクルーだっただろうか。
そんな惨めな考え方がよぎる。
二人を見ているのは辛くて俺は医務室へと向かった。
何とか本を読んでみても全く頭には入ってこなかった。
しばらくすると錦えもんが宴をするからと俺を呼びにきた。
甲板にはもう飲み始めている者もいた。
俺はを探した。
はバルトクラブのクルーと時折笑いながら話していた。
が笑っている事に安心はしたが、慰めたのが麦わら屋だと思うと悔しかった。