第24章 23
『怪我した奴らの傷は問題なかった。』
俺がこう言うとは安心した様子だった。
『お前がいてくれて助かった。』
俺はがちゃんと役に立っているという事が伝えたかったが、こんなセリフしか言えなかった。
それでもは少し涙ぐんだ気がした。
俺は気がつかなかったふりをしてバルトロメオに状況を確認しに行った。
しばらくして、が作ったおにぎりを持ってきてくれた。
作業をしながら食べれるようにおにぎりにしてくれたのだろう。
するとロボ屋が大きな声で騒がしくしていた。
そちらを見ると、珍しくロビ屋とも驚いた表情をしていた。
気になった俺はロボ屋の元へ向かった。
どうやら、の能力で船の穴を塞ぐ事が出来たらしい。
実際に鼻屋の壊れたダイアルをは触れただけで直した。
キュアキュアの実にここまでの能力があるのか、、
キュアキュアの実にこんな能力があるとはどの文献にも載っていなかった。
生き物の怪我や病気を触れるだけで治し、物体すらも触れるだけで元に直してしまうなんてすごい能力だ。
この事を知っている人間はどのくらいいるのだろう。
ダイヤルが直り喜んでいるとは反対に俺の気持ちは騒ついていた。
そしては、船の修理をしようと立ち上がると、案の定バランスを崩した。
俺はを受け止めた。
こんな能力がなんのリスクもなく使えるはずかねぇ。
は立ち上がる事すら出来ないほど、体力を消耗していたようだ。
すると、麦わら屋の腕が伸びてきてを俺から引き離して自身の腕の中に収めた。
麦わら屋は周りを気にする事なくを堂々と抱きしめていてが元気になるまで離さないと言っていた。
ガキかよ、、、とも思ったがこんなにも堂々とされてしまってはを奪い返す方法が見当たらなかった。
俺はの側から離れた。
少し一人になっての能力についても考えておきたかった。
ポーラタンク号なら色々な文献を読み返す事ができたが、この船には大した本は置いておらず、ただ考えを整理したり仮説を立てるぐらいしか出来なかった。