第23章 22
『そろそろ寝るぞ。』
俺がそう言うと、は頷いて、電気を消して布団に入った。
俺は鬼哭を枕にして床に横になった。
は自分の枕や布団を使って欲しいと言ったが、俺は断った。
床に横になっている俺からはの姿が見えない。
それでも気配からが眠れていないのがわかった。
『?』
俺は声を落としての名前を呼んだ。
すると、ベットの端からが顔を覗かせた。
俺の名前を呼ぶ声は、とても不安そうだった。
ロー「寝れねぇか?」
俺がいても寝れないのかと、気持ちが沈んだ。
どうやったらこいつを眠らせてあげれるんだろう。
「ローが隣にいないと寝れない、、、」
は少し頬を赤めて、それでいて俺の目しっかり見つめてこう言った。
ロー「お前、、、、、」
役不足だったのかと思っていた俺は、の言葉に動揺してしまった。
ただでさえ、必死で理性を保ってるってのに、こいつ意味わかって言ってやがるのか。
俺だって男だ、隣で眠るに理性が保てる保証なんてないぞ。
「ごめんなさいっ。変な事言って、、、大丈夫もうすぐ寝れるはず!」
今さら、自分が何を言ったか理解したのか、は布団を頭まで被ってこう言った。
俺はため息をついて起き上がると布団ごとを抱き寄せていた。
が眠れるのなら何だってしてやりたかった。
これでが安心して眠れるのなら、それでいい。
『これで満足か。』
「ごめんね。わがまま言って、、、」
は布団に潜ったまま言った。
なかなか布団から出てこないか心配になり布団を捲る。
『そんなんじゃ息苦しいだろ。』
俺はの頭を自身の胸元にくるように抱き寄せた。
は赤い顔を見られたくなかったようだが、それは俺も同じだった。
『これで顔が見えねぇだろ。』
俺はの頭を撫でた。
の力が抜けていくのが分かる。
は離れていると寝れなかったくせに、抱きしめてやるとあっという間に寝てしまった。
その寝顔はとても穏やかで、俺の煩悩は消えていった。