第23章 22
『俺じゃ頼りにならないか?』
俺じゃお前の相談相手にすらなれないのかと、柄にもなく不安になってしまった。
年下の女の肩に顔を埋めて、弱々しい声を出す自分に驚いた。
「違うよ!でも、、、」
は俺と向かい合うようにした。
「ローの事は頼りにしてるよ。今だって眠れなかったからローが来てくれて嬉しい。でも、、、昼間泣いてたのは私の問題で、誰かに何かされたとかじゃないし、誰にも話すつもりはないの。心配かけてごめんなさい。」
は気まずそうに目を逸らした。
は頑固な所があるから、話さないと言えば話してもらえる事はないのだろう。
それに謝ってほしい訳じゃない。
俺はの俺がきてくれて嬉しいと言う一言が嬉しかった。
俺は今度は正面からを抱きしめた。
『好きな女を心配するのは当たり前だ。俺が勝手にしてる事だ。謝る必要はない。だがホントに辛くなったならその時は話せよ。話たら楽になることもあるかもしれねぇだろ。』
俺はこう言っての頭を撫でた。
が泣きたい時は俺を頼って欲しかった。
寝れないと言ったに、もう少し話していようと提案するとは嬉しそうだった。
はドクターベガバンクの話をしていた。
俺の興味がありそうな話題を選んでくれたんだろう。
は読書が好きなだけあって、幅広い知識がある。
それに俺の知ってる知識を話すとの豊かな感受性が反応して新しい発見が生まれる。
だからとの話は飽きなかった。
は次第にウトウトしてきて、ついには俺の膝にもたれかかってきていた。
『おい。寝るんならちゃんと布団で寝ないと本当に風邪ひくぞ!』
俺はこう言うと、は寝室がわからないと言い出した。
昼間、こいつとニコ屋には個室を用意するってバルトロメオが言ってたろ。
部屋の場所、聞いてなかったのか。
は話もしなくなり俺の膝で気持ちよさそうにしていた。
『今日だけだぞ。』
そう言って俺はの髪を撫でた。
俺の膝で気持ちよさそうにしているが愛おしかった。