第21章 20
震える手をなんとか抑えようとするが上手くいかなかった。
少し触れただけでも血が出てしまうような武器を人に向けるのが怖かった。
天竜人を撃った時の記憶が蘇る。
当たらなかったとはいえ人を撃ってしまった時の恐怖は忘れられなかった。
すると、ゾロの刃先が私の首元に向けられた。
ゾロ「毎日、俺のトレーニングに付き合ってきたことは認める。だからお前はもう体力も十分にあるし動けるようにもなってるはすだ。なのになんでに向かってこねぇ。そんなに人を傷つけることが怖ぇのか。そんなお人好しは戦場には邪魔なだけだ。トレーニングするだけ無駄だ。」
ゾロは刀を鞘にしまうとどこかへ行ってしまった。
『ゾロ、待って!私、頑張るから。』
私はゾロに向かって叫んだ。
ゾロは振り返ることはなかった。
気まずい沈黙が船を包んだ。
ウソップ「あいつなんなんだよ。ひでーやつだな。気にすんなよ!」
ウソップは私の肩を叩いた。
するとルフィの腕が伸びてきて私に巻き付いた。
ルフィは私を抱き寄せるととそのまま船首まで連れて行かれた。
ルフィ「大丈夫か?」
ルフィが私の顔を覗き込んだ。
『ゾロの言ってる事は間違ってないから、、、』
私は泣くつもりなんてなかったのに、勝手に流れ出る涙を止める事ができなかった。
私は泣き顔を見られたくなくて自分の両手で顔を隠した。
ルフィは顔を隠した私をそのままを抱きしめた。
ルフィ「ゾロの奴なかなか厳しい事言うよなー。でもお人好しなのがお前だろ。俺はお前のそうゆう所が好きだぞ。」
ルフィが励まそうとしてくれているのが伝わった。
一度流れてしまった涙は止める事が出来なくて、私はルフィの腕な中で思いっきり泣いた。
ゾロの言ってる事は正しい。
ゾロが意地悪で言ってる訳ではないことくらい分かる。