第21章 20
ローはその長い足を組んだ。
『でも、、、さすがにそんなの悪いし、、、』
ローの提案は嬉しかったけれど、部屋で2人きりなんて変に意識してしまう、、、
ロー「、何を考えてやがる。顔が真っ赤だぞ。」
ローは肘置きに肘をつき余裕そうに私を見つめた。
『違っ!!』
私は赤くなった顔を見られたくなくて下を向いた。
ロー「フッ悪かった。冗談だ。何もしないと約束する。俺は床で寝るから安心しろ。」
『でもそんなのローに悪いよ!』
ローは立ち上がると私の前に立っていつものように頬を撫でた。
ロー「好きな女の心配をしてるだけだろ。俺が勝手にやってるんだ。お前は気にしなくていい。」
『ロー、、、』
ロー「まだクマが全然取れてねぇな。」
ローは親指で私のクマをなぞった。
『ありがとう。いつも心配してくれて。ローがいてくれるだけで眠れる気がする。』
私がこう言うとローはフッと笑った。
私たちは互いに頬を少し赤くして笑いあった。
『それじゃあ、私もローの心配していい?』
私は背伸びをしてローの髪に触れるとローの髪はまだ濡れていた。
『風邪ひいちゃうよ。』
ローに先程の椅子に座ってもらい新しいタオルでローの髪を拭いた。
ロー「あぁ、悪ぃな。」
嫌がるかなとも思ったけれど、ローは素直に髪が乾くまで拭かせてくれた。
ローの髪は意外と柔らかかった。
ローの髪を乾かし終わるとローは持ってきていた医学書を読んだ。
私もバルトクラブのクルーさんに借りた本を読んだ。
ローは分厚かった本をあっという間に読み終えていた。
ロー「何の本読んでるんだ?」
『おばあちゃんに学ぶ生活の知恵って奴だよ。』
私はローに表紙を見せた。
『たんこぶにはお砂糖ってお医者さん的には正しいの?』
ロー「まぁ、対処法としては悪くはない、、、」
『じゃあコレは?』
私は怪我や病気についての章をローに見せる。
テーブルに置いた本を2人で読んだ。
顔がくっつきそうになるほどの距離感に私はドキドキしてしまったが、ローは本の内容に夢中だったので気付かれずに済んだ。
ローは本に書かれた内容を、これは正しいとか、間違っているとか、詳しく教えてくれた。
するとあっという間に時間は過ぎていった。