第20章 19
色々な光景が頭の中でぐるぐると回った。
私は自分の膝を抱いた。
やっと一人になった私は人知れず恐怖に苛まれ声を殺して泣いた。
私は何よりも無力な自分に腹が立った。
一度流れてしまった涙は次々と溢れ出した。
しばらくすると、フランキーの私を探す声がした。
泣いてる姿を誰にも見られたくなかった。
私は何とか泣き止むとフランキーの元へ向かった。
そろそろみんなとは別れてバルトロメオさんの船に移動するらしい。
私はレオを手のひらに乗せると最後にお礼を言った。
レオとマンシュリー姫とは一緒にローの腕を治したし、あの時は2人の励ましがあったから何とか意識を保てたのだ。
バルトロメオさんの船の船首はルフィになっていて、私たちの船以上にルフィが乗っていそうだった。
ドレスローザの一件で私たちの懸賞金は上がったらしい。
手配書が飾られている部屋に案内されると、先程書いた私のサインもみんなのサインと一緒に飾られていた。
ルフィとローの懸賞金は5億にまで上がっていた。
私の懸賞金も1億にまで上がってしまっていた。
私たちは早急にゾウを目指した。
サンジ達との連絡は未だに取れないでいた。
バルトクラブのみんなは基本的にバルトロメオさんと同じノリで、みんな麦わらの一味のファンだった。
歓迎モードの中、またまた宴をしてさすがに疲れたのかみんな甲板で眠ってしまっていた。
眠れていないのは私だけだろうか。
甲板から離れて船尾の方から星空を見上げた。
夜空の星はすごく輝いているのに、私の気持ちは晴れなかった。
何もかもを失って無人島に飛ばされた私にルフィは居場所をくれた。私にはまた大切な人達が出来た。
その大切な人達がまたエースやリリーのようになってしまったら、、、
それが、私の弱さが原因だとしたら、、、、
私はまた見ているだけしか出来ないとしたら、、、
麦わらの一味のみんなもローも、私がピンチになったら命をかけてでも助けてくれるだろう。
それが今はとても怖かった。
病気を治してもらい、少しは動けるようになってゾロに修行をしてもらったり、能力も扱えるようになったのにドフラミンゴの前では何も役に立たなかった。
まだまだ私は弱いんだ。
急に寒さを覚え体が震えた。
考えてはダメだ。
私はそう自分に言い聞かせた。