第19章 18
俺は1番言わなければいけないと思っていた事を話した。
『後、さんはキュアキュアの実の能力者になっていました。』
ロイドさんは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに無表情に戻った。
ロイド「本人も能力者だと自覚していたのか?」
『はい。能力も使いこなしているようでした。後、さんは今この国にいます。ドフラミンゴを倒したのはルフィですから。』
ロイドさんは一瞬目を見開き、その場に立ち上がった。
ロイド「がこの国にいるのか。」
『会いに行きますか?』
ロイドさんはまた座り直すと胸元のペンダントを握りしめた。
下を向いたロイドさんの表情は見えなかったが、ペンダントを握る手は少し震えていた。
ロイド「ありがとう。でも会うのは辞めておくよ。」
ロイドさんの表情は切なかった。
ロイド「サボ君、色々と教えてくれてありがとう。君からも私に聞きたいことがあるだろう。君になら話してもいいのかとも思う。だが、少し待ってくれ。もう少し状況が整理出来たら必ず話すよ。」
『わかりました。ではそろそろ船へ戻りましょうか。』
2人が船に戻ると出航の準備は出来ていた。
俺はドレスローザに入国してからつい先程までの事を思い出し、自ら作り出した炎を見つめる。
ロイドさんはコアラと話しながら出航の準備をしていた。
日記を読んだ事はあっても、会うのは初めてだったこの人に俺はとても惹かれていた。
俺自身は子供を利用するような親しか知らない。
でもロイドさんは命をかけてを守っている。
もとてもいい奴だった。
俺は数奇な運命を送るこの親子の事を応援したいと思っていた。
コアラ『サボ君!ぼーっとしてないで少しは手伝ってよ!』
俺はイヤイヤ準備を手伝った。
俺たちはドレスローザを後にした。