第19章 18
ロイド「それで君はサイドテーブルの二重底に気がついたのか?」
先に口を開いたのはロイドさんだった。
『まぁ、そうですね。』
俺は答えた。
ロイド「その事を誰かに話したかい?」
『いえ。誰にも話していません。』
ロイド「そうか、、、、、感謝するよ。ホントにありがとう。」
また、そっくりに笑った。
この人は笑顔の裏でどれだけの事を一人で背負っているのだろう。
『ですが俺は娘さんのことを調べてしまいました。』
俺は話を続けた。
ロイド「そうだろうな。私でもそうしただろう。娘の事はわかったかい?」.
『いくら調べても分かりませんでした。ですが2年ほど前、偶然なのか必然なのか娘さんにたどり着きました。』
ロイドさんの表情が一瞬だが揺らいだのがわかった。
『僕が知っていることを話しましょうか?』
ロイドさんは悩んでいるようだった。
しばらく沈黙があり、「あぁ。頼むよ。」と言った。
俺はについて知っている事を全て話した。
シャボンディ諸島の孤児院の院長をしており、村の子ども達からも好かれていたこと。
ガープ中将の孫だと言われていること。
頂上決戦での署名活動のこと。エースとの事。
孤児院で起きた事件で賞金首になっている事。
今はドラゴンさんの息子でもあるルフィの船で海賊をしている事。
ロイドさんはが賞金首になった話をした時、自分のズボンのを握り悔しそうな顔をしが、それ以外は終始俺の話を黙って聞いていた。
俺は人の話をペラペラと話すのは好きではなかったが、ロイドさんにはの事を知る権利があるように思えた。
ロイドさんの日記を読んだ者なら誰だってそう思うだろう。
ロイド「ありがとう。が今も生きていてくれるならそれでいい。それにしても不思議な縁を感じるな。ドラゴンの息子と旅をしているのか。それにその息子と君が兄妹だなんて。」