第17章 16
緊張するっていうのはどういう意味なんだ。
『まぁ、いい。その服は誰のなんだ?』
俺はヤキモチ全面の情けない質問を続けた。
はドフラミンゴの部下に絡まれて、その時助けてもらった男の服だと言った。
そしてその服を脱いで綺麗畳んでいた。
いつドフラミンゴの部下に絡まれたんだ。
そもそも、そんな服着てたら変な奴に絡まれるに決まったんだろ。
知らない男に助けられてんじゃねぇよ。
俺はさっきからの発言に惑わされてばかりだ。
好きな女の事となるとこんなに余裕のない男になるのか。
『俺のを貸してやる。少し汚れてるが我慢しろ。』
その格好のままでいるのも、知らない男の服を着ている事も気に食わない。
俺の服を脱いで渡した。
は素直に袖を通した。
が着るとブカブカだが、袖を捲るはやっぱり可愛いなと思う。
「ローって、やきもちとか焼くんだね。」
が急に俺の目を見て言った。
いつもより挑戦的なの表情に俺は慌てて目を逸らした。
あれだけ情けない質問を繰り返したんだ。
否定は出来ないだろう。
仕方なく認めた俺の声は自分でも驚くほど小さかった。
俺が否定すると思っていたのか、の顔は真っ赤になった。
『さっきまでの余裕はどこ行ったんだ?これは俺を揶揄った罰だ。』
俺はのおでこにキスをした。
好きな女に揶揄われているだけでは情けないだろ。
は自分の両手で顔を隠している。
『その赤い顔が引いてから戻れよ。』
の反応に満足して立ちあがろうとするとに抱きつかれた。
「ローが死んじゃうんじゃないかって、、、、、ローが生きててよかった。もう、無茶しないで、、、、」
普段ならしないだろうの行動に戸惑った。
しかし涙を流して俺を心配してくれている事が嬉しかった。
もう心配はかけたくない。
俺は「約束する」と言ってを抱きしめた。
これ以上一緒にいると俺の理性が崩壊する。
のクシャクシャとしてその場を離れた。