第17章 16
は俺を見ると慌てて俺の傷口にの掌を重ねた。
泣き崩れているに、一瞬言葉が出てこなかった。
俺はをこんなに心配させてしまったんだ。
苦しそうに泣くに罪悪感が湧いた。
それと同時に少し嬉しく思った。
をよく見ると、顔は涙でぐちゃぐちゃだし、服のスカートの部分も破れていた。
ドレスローザに着いた時は着ていなかった、ブカブカのジャケットの手首の所は血が付いていた。
俺は残っている手での涙を拭う。
小人族の励ましもあり、少し落ち付きを取り戻した。
「ロー、さっきは逃してくれてありがとう。私、足引っ張ってばかりで本当にごめんね。」
は言った。
好きな奴を助けるのは当たり前だろ。ホントはもっと早く助けたかったんだ。怖かっただろう。
お前は何も悪くない。
また、こうやってに触れられて本当によかった。
の声を聞いて色々な感情が込み上げてきた。
『お前の気にする事じゃない。俺の作戦が甘かったせいでお前まで危険な目に合わせたんだ。お前が無事で本当によかった。』
の癒しの力は強力で俺は起き上がれる程になった。
これ以上、に心配をかける事に抵抗はあったが、まだ戦いの決着は着いていない。
俺にもまだ出来ることがある。
を抱きしめると、離れたくない気持ちが襲ってくる。
俺の背中に手を回してくるが愛しくて仕方なかった。
「必ず戻る」言うと、胸元では頷いた。
俺は、覇気が使えなくなった麦わら屋の元に向かった。
麦わら屋を預かると覇気が戻るまでドフラミンゴから隠れた。
麦わら屋が持つ不思議な力は何なのだろう。
気がつくと国中が麦わら屋を応援している。
粗暴な海賊までもが自分の身を呈して覇気復活するまてまの時間稼ぎをしてくれている。
頂上決戦の時もだった。
ドレスローザでは俺の事を当たり前のように助けに来てくれた。
俺の意志を汲んでくれてトドメを刺す機会を与えてくれた。