第16章 15
拡声器から聞こえる実況者の声により、ルフィの復活のカウントダウンが始まった。
そして、カウントダウンがゼロになると実況者からルフィが復活した事が知らされた。
この知らせに国中が湧いた。
私も泣いてしまった。
ゾ「泣くのが早ぇーだろ。まだ鳥籠は消えちゃいねぇ。」
『うん。』
私は泣きながら鳥籠を押した。
少しして、拡声器から聞こえる声がルフィの勝利を知らせた。
私たちが押していた鳥籠はなくなりみんな前のめりに転んだ。
あちらこちらで歓声が聞こえた。
私達もみんな抱き合ってルフィの勝利を喜んだ。
私たちは、ルフィとローを探していた。
するとキュロスが2人を見つけてくれていて、キュロスの家に運んでくれていると聞きキュロスの家へ向かった。
2人はキュロスの部屋で眠っていた。
私は2人の手を握って少しでも回復が早まるように能力を使った。
2人の怪我はやはり重症で私はかなり能力を使ってしまい、気がつけば眠ってしまっていた。
ルフィに抱きしめられて朝を迎えた。
見上げるとルフィの寝顔があり、いつもの日常に安堵した。
私はルフィの腕から抜け出した。
ロビンから昨日寝ている間にサボさんが来ていたと聞いた。
サボさんは、ゴア王国を出る時の事故で記憶を無くしていたらしい。そして頂上決戦のニュースを見て記憶が戻ったようだ。
サボさんにそんなに辛い過去があったんだ。
私はサボさんに借りたままのジャケットの袖を握った。
家の外に出ると、ローが一人で景色を眺めていた。
私は隣に座る。
『腕の調子は?』
ロー「問題ない」
ローは少しぶっきらぼうに答えた。
『よかった。』
ロー「俺の側だと安心して眠れないのか?」
『へっ?』
ローの質問の意味が分からず質問を聞き返した。
ロー「お前はいつも麦わらの屋に抱かれて眠るだろう。」
ローは奥歯に何か挟まっているかのように少しずつ話した。
『いつもじゃないけど。無人島にいた時はいつも一緒に眠ってたからその癖みたいなものなのかな。ルフィの側って安心出来るし。』
ロー「俺の側だと安心出来ないのか?」
『そういうわけじゃないよ!まぁ、ローの側だと少し緊張しちゃうっていうのはあるかな。』
私は少し恥ずかしくなりながらも答えた。