第15章 14
サボさんに言われ私は自身の体を見ると、ドフラミンゴの糸で縛られていた手首と足首が切れて出血していた。
サ「気づいてなかったのか?呆れたな。」
サボさんは私の乱れた前髪を整えた。
『ありがとうございます。でも大丈夫です。私は、キュアキュアの実の能力者なんです。だからこれぐらいの傷なら勝手に治ります。きっと仲間たちも怪我してるだろうから治してあげないと。』
私がこう言うと、サボさんの顔つきが一気に険しくなった。
サ「キュアキュアの実の能力者だと言ったか?」
サボさんは私に詰め寄り、私は少しずつ後ろに下がった。
『はい。だから大丈夫です。早くみんなの怪我も治してあげないと。』
様子が変わったサボさんが気にはなったが、私は出来るだけ明るく答えた。
サ「この国でその能力を使うつもりなら、君を仲間の元には行かせてあげられない。」
サボさんはいよいよ私を建物の壁側まで追いやった。
私の顔の横に手を付き険しい顔のまま言った。
『どうしてですか?仲間が傷ついてるのを見ているだけなんて出来ません。退いてください。早く行かないと!』
サ「君はキュアキュアの実の能力の真髄を理解していない。君がキュアキュアの実の能力者だと分かれば、ドフラミンゴに狙われるだけじゃない。ここには闇取引をしていた連中が大勢のいるんだ。君は世界中から命を狙われる事になるんだぞ。海軍だって一緒だ。」
その表情からサボさんは優しさで言ってくれているのが伝わった。
『私は今まで大事な人の死を、見ていることしか出来なかったんです。能力者だとわかってから何度もあの時能力が使えてたらって。
だからまた、目の前で大切な人を見殺しにするくらいなら、私は迷わず死を選びます。』
私はサボさんの目を真っ直ぐ見て言った。
サボさんとしばらく見つめあうと、サボさんはふっと笑って壁に付いていた手を離した。
サ「出来るだけ仲間や信用している人以外に使うんじゃないぞ。」
『はい。心配してくれてありがとうございます!』
サ「何かあったら俺も頼ってくれ。エースの分も君を守るよ。」
サボさんは人差し指から炎を出した。
『メラメラの実を食べたんですね!食べたのがサボさんでよかった。エースも喜んでると思います!』
私は笑った。