第13章 12
女部屋に戻るとナミとロビンも起きていた。
ナ「やっと帰ってきた。明日からは何が起こるのかわかんないんだから早く寝るのよ!」
と言われた。
そうだった。人口呼吸の一件からすっかり忘れてしまっていたが、明日はドフラミンゴに提示しているシーザー引き渡し条件の期日だった。
明日の新聞にドフラミンゴの七武海脱退のニュースが出ていれば、私達はドレスローザに向かいシーザーを引き渡す。
でんでん虫越しでもドフラミンゴが怒りに満ちている事はわかった。
作戦はうまくいくだろうか。
ドフラミンゴと話している時のローの顔を思い出す。
ローは思い詰めた顔をしていた。
日に日に濃くなるローの隈は眠れていない証拠だ。
ローはこの作戦に特別な思いがあるのかもしれない。
だから私にもあんな事をしたのかも知れない。
ローはこの作戦に何をかけているのだろうか。
私はますます眠れなくなり、結局朝になった。
私はそっと布団から抜け出し甲板へ出る。
甲板には先客がいた。
『おはよう。ロー』
後ろから声をかけるとローは驚いた顔をしていた。
人口呼吸ですら、恥ずかしさで避けてしまっていたのに、あんなキスした後ではまた避けられると思っていたのかも知れない。
本当は今だって恥ずかしくて逃げ出したかったし赤くなっているであろう顔を見られたくもなかった。
でも、気まずいままドレスローザの作戦に入りたくなかった。
ロー「ああ。」
私はローの隣に座った。
『早くニュースクー来ないかな。』
ローはチラリとこちらを見た。
ロー「寝てないのか?」
『おかげさまで。』
正面を眺めたまま言った。
ロー「、、、悪かった。お前の能力は体力を使う。今からでも寝とけ。」
ローが心配してくれているのが伝わった。
『ローだって一緒でしょ。一緒にニュースクーを待たせて。』
私はローの目を見て言った。
ローはクスッと笑うと、
「余裕ぶってるが、顔、真っ赤だぞ。」
ローはわざと手を握ってくる。
『ローのバカ!ローはいいよね。いつも余裕で。』
私は顔を見られない様に話した。
ロー「好きな奴が目の前にいて余裕なわけないだろ。」
ローは空いている手で私の頭をローの胸に押し当てた。
ローの心臓の音は早かった。