第12章 11
医療行為としての人口呼吸をされたぐらいで意識しすぎだ、と自分に言い聞かせた。
飲みものを飲んで医務室に戻るとローはもういなかった。
チョッパーは何も気にしてなさそうだったかから安心した。
掃除を終え医務室を後にした。
その後も、ローの近くには行かないようにして1日を過ごした。
一晩寝たら私の気持ちも落ち着くだろうか。
お風呂に入り女部屋への廊下を歩いていると、一瞬で私はローの腕の中に移動していた。
私はすぐには状況を理解できなかったが、座っているローに抱きしめられていることに気がつくと、何とか離れようとした。
ローは私を隣に座らせた。
私は恥ずかしくて顔を上げる事は出来なかったが、ここが医務室のソファな事はわかった。
私はローの能力で移動をさせられたのだろう。
医務室には私たち以外誰もいなかった。
ローは少しの沈黙の後、気まずそうに視線を逸らして言った。
ロー「お前、俺を避けてるだろ。俺が何かしたんならはっきり言えよ。」
私が勝手に恥ずかしがっているせいで、ローに勘違いをさせてしまった事に罪悪感が押し寄せる。
『違うの。ローのせいじゃなくて、、、、、』
恥ずかしさと罪悪感で少し泣きそうになってしまう。
それでも、ローに勘違いさせたままにするのは悪いと思った。
『ごめんね。避けてたわけじゃないの。恥ずかしくって。今も絶対顔が赤いでしょ。だから見られたくなかったの。』
私はひざを抱えて赤くなった顔を隠す。
ローは何も言わなかった。
こんな事急に言われても意味がわかるわけないだろう。
『その、、、人口呼吸のことチョッパーから聞いたの。ホント何、意識してるんだって感じだよね。ローは治療としてしただけなのに。でも何か凄い恥ずかしくて。だから、ローのせいじゃないの。ローにどんな顔して会えばいいかわからなかっただけなの。勘違いさせちゃってごめんなさい。』
沈黙が流れた。
ロー「人口呼吸の事を知ってこんなに照れてるのか?」
ローは私の髪を撫でた。