第4章 甘すぎ天使とおねだり悪魔
「…………え」
「なんで俺、いるのに。荻野さん断らなかったの?」
「…………」
もしかして。
「はじめから全部、聞いてた?」
こくん、て。
小さく頷く彼の耳、真っ赤だ。
「…………」
ああ無理。
無理これ。
かわいい…………。
「…………っ、雪乃さ、今締めな…………っ」
両手で彼の頬へと触れて。
その唇をそのまま奪った。
ついでに。
いつも彼がしてるみたいに、舌を絡めて、吸い付いて。
小鳥遊くんの唾液ごと、飲み込んで。
自分で腰を振って。
気持ちいいとこ、あたるように。
そしたら。
いつのまにか彼の動きも重なって。
夢中になって。
職場だって全部忘れて。
ただただ。
小鳥遊くんともっと繋がっていたくて。
夢中でお互い、貪った。
「…………ぷは………っ、ごめ、も、………っ」
「うん、雪乃さん一緒イこ?」
コツン、て。
額が合わさって。
小鳥遊くんが下から思い切り突き上げた、瞬間。
彼のシャツを思い切り、噛み締めて。
「——————〜〜〜〜ッッッ」
「…………雪乃、さん………っ」
ふたり同時に。
果てた。
「雪乃さん、雪乃さん大丈夫?」
だらん、てぐったり彼にもたれかかるあたしの顔を覗き込んで。
小鳥遊くんの手が、髪の毛を耳へと掛けてくれた。
「…………小鳥遊、も、ひかってる…………」
「ん、おいしい」
「ごめんね、不安にさせて…………」
小鳥遊に触れたくて。
なんとか伸ばした右手。
彼の頬に触れたところで。
プツンと何かが切れた。