第4章 甘すぎ天使とおねだり悪魔
——————え。
今。
なん…………。
「…………どうしてそんな顔するの?雪乃さん」
「え…………」
「雪乃さんが自分で言ったことなのに。…………違うって言えば良かった?違うって言ったら、雪乃さん信じた?」
「たか、なし…………」
自分だって。
なんで、そんな悲しい顔…………。
今にも泣いちゃいそうな。
「雪乃さんにはどうすれば伝わる?好き、って、何回言えば伝わる?…………どうしたら、好きになってもらえる?ねぇ、雪乃さん」
「…………」
ああ、そっか。
小鳥遊はずっとこうやって。
気持ち伝えててくれたのに。
逃げて、ばっかで。
変なプライドとか。
歳上だとか。
どーせ、ご飯だ、とか。
勝手に自己解決してたのは。
逃げてたのは。
あたしが。
傷つきたくなかったからだ。
そのせいで今。
目の前の後輩を、傷付けた。
「…………ごめん、小鳥遊」
手を伸ばして彼の頭を引き寄せて。
そのまま顔のおでこにキスをした。
「ねぇどうして、心読めるのにあたしの気持ち読めないの?」
「え」
「…………とっくに、好きだよ」
「っ」
急に真っ赤な顔してフリーズとか。
伝染(うつ)るから、やめてほんと。
恥ずかしすぎて死ねる。
「…………死なれたら、困る」
「!!」
ぎゅ、と腕の中に閉じ込められて。
耳元でそーゆーの、やめて欲しいんですけど。
ほんと。
何やってんだあたし。
ふー、って、息吐き出して。
そのままぎゅーって、小鳥遊の背中へと手を伸ばす。
そのままポンポン、て。
背中を撫でた。
「…………何それ、歳下扱い俺好きじゃない」
「3年も遅く産まれたくせに」
「3年、なが…………」
「そうでもないよ」
「え」
キョトン、て。
身体を起こしてあたしを見る小鳥遊ににこりと、笑って。
「だってあたし、かわいい小鳥遊が好きだもん」
「…………っ」
あ、耳まで真っ赤。