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ウチの悪魔は『待て』が出来ない

第4章 甘すぎ天使とおねだり悪魔


そしてそれは案の定。
自分の身に降りかかるのだ。
天使の笑顔の裏は、悪魔な肉食獣の素顔だって知ってるのに。
いつもいつも。
この無邪気な笑顔に騙される。







「ねぇ、雪乃さん」



やっと終わったー!!
とバキバキの身体を伸ばし、ガタン、て椅子にもたれかかれば。
いつのまにか後ろから小鳥遊くんの腕があたしのデスクの上。
すっぽり彼の、腕の中。


「………あ、ありがと。小鳥遊、くん」
「はい」


だから。
いつものあの、笑顔で。


「ご褒美、くれます?」


悪魔が、耳元で囁いた。

「ちょ、っと、1回、落ち着こうか、ね、小鳥遊くん」

反射的に椅子から立ち、距離をとるけど。
今度はそのまま正面からデスクと彼に挟まれる形となり、状況は悪化の一方。

「ほら!!ここ職場だしさ?さすがに、ね?」

「大丈夫。もう俺ら以外さすがにいませんよ」
「そ、そーゆー問題じゃなくて」


だから。
首!!
顔埋めないで。
息かかるってば!!


「えーでも俺…………」

ち、近い!!
手!!
掴まないで!!


「雪乃さんに許可とりたいわけじゃないんだよね」




ガタガタガタ!!


と。
デスクの上から雪崩のように落ちていく書類やら筆記用具やらを見ていれば。
くいって顔が引き寄せられて。
柔らかい唇が重なった。





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