第4章 甘すぎ天使とおねだり悪魔
「俺、邪魔しちゃいました?」
「だから…………」
うう………。
くそかわいいな、キミほんと!!
しゅん、て、項垂れながら上目遣いとか。
女の子より女の子なんですけどこの子。
「雪乃さん?」
「…………邪魔じゃ、ない、から。助かった」
ふい、て。
視線そらして素気なく。
ああほんと、可愛げない。
小鳥遊くんの女子力見習わなきゃなー。
なんて、ため息つけば。
「…………たかな、し?」
後ろからぎゅ、て。
小鳥遊くんの腕がまわされた。
「今日1日外回りだったし、雪乃さんと会えなかったから。充電」
「…………っ」
駄目無理。
かわいすぎるでしょこれ。
だけど。
あたしが悶々とひとり欲求と闘って、いれば。
ちゅ、て。
首筋に落とされた口付け。
ついでに右手は胸を完全ロックオン。
「ま、待って待って!!仕事!手伝ってくれるんだよね!?」
「あー………」
慌てて彼から離れて距離を取り向き合えば。
頭掻きながら呑気な受け答え。
そしてそれはすぐに。
一瞬にしてかわる。
「もちろん。ちゃんとお手伝いしますよ」
一瞬にしていつもの無邪気な天使の笑顔へと、変わった。
「あ、…………ありがとう」
「どういたしまして先輩」
「…………」
そして知ってる。
彼を知れば知るほど見える彼の本質。
この無邪気な笑顔は。
悪魔な素顔のカモフラージュだってこと。