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ウチの悪魔は『待て』が出来ない

第3章 小悪魔天使がかわいすぎて困る




おまけ。
2度目に凛太郎に会いに行く前日の、お話。




《side リッカ》




「ぅう………」



不味い。
なんだか、凛太郎からもらったご飯のあとから凛太郎以外にもらうご飯が前より不味く感じる。
感じる、ってレベルじゃない。
消化不良起こすレベルで不味い。



「…………ひでー顔」

「お兄ちゃん!!」


鏡の前。
ブクブクぺって何度も何度もしていたせいかお兄ちゃん帰ってきたの気付かなかった。
鏡の中、あたしより頭一個分おっきい同じ顔が、あたしを覗き込んだ。

「何、喰べてないのリッカ」
「喰べてますよーだ」
「のわりに、顔色悪いね」
「…………お兄ちゃんは肌ツヤいいね」
「まーね」

むぅ。
1人だけいい思いしちゃって。
ずるい。


「この前まで死にそうだったくせに」


「もう平気」


にやり。
憎たらしい笑顔を残して。
むかつく双子のお兄ちゃんは、ドアの向こうに消えてった。



「…………まだ不味い」


うがいなんかじゃ全然不快感取れなくて。
歯ブラシに歯磨き粉をたくさん、塗りたくった。








「あ、リッカ」

消えたはずのお兄ちゃんが、再びひょいと洗面所へと顔を出す。


「さっきおまえの客来てたけどどーする。不味くて余計体調良くないなら、止める?」
「………うーん」

さっき喰べたからお腹、空いてない。


「止める」
「言っとく」
「お兄ちゃんはお店出なくていいの?」

最近お店出てるの全然見ない。
のに。
肌ツヤめちゃくちゃいいし。

「俺はいいの」

あーあ。
ニヤニヤしちゃって。

「やっぱ外で喰べてるんだ。………大丈夫なの?」
「何が」
「…………いろいろ?」
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