第3章 小悪魔天使がかわいすぎて困る
「え…………」
なんだ。
急に。
前のめり。
思わずつい、身体引いてみたくなるくらいには、勢いがあって。
「いいの?ほんといいの?」
「は?…………あ、いや、うん。俺は構わない…………」
「凛太郎!!」
「な…………?ぅわ!!」
勢いそのまま抱きつかれて。
そのままベッドに押し倒された形と、なる。
あー…………。
この絵面、悪くない。
「ほんとはほんとはずっと、リッカ我慢してたの」
「ぇ、我慢?何の…………」
「凛太郎と、もっといっぱいエッチしたかったの!!」
「…………は?ぃや、え?」
今。
なんっった?
「凛太郎とね、もっと気持ちいいことたくさんたくさんしたい!!」
「あー…………」
これでシラフだもんなー。
天然っつーか、鈍感っつーか。
やー、ほんと。
破壊力な。
まじで。
「凛太郎?」
額を押さえて上体を起こした俺を覗き込むように。
リッカの顔が至近距離まで迫ってきた。
から。
そのまま唇を奪って今度はそのまま、押し倒す。
「それってなんで?」
「なんで?」
「他のやつとはする気になんないんだよね?なんで?」
「だって凛太郎、すごく美味しいんだもん」
だよなー。
わかってたし。
意味なんかないのわかってました!!
だから恥じらうようにそんな顔すんのやめて、ほんとに。
泣きたいのに息子だけまた元気になっちゃうからさぁ。
「凛太郎」
「はい、ごめんなさい」
不可抗力だろ!?
これ絶対!!
「…………口からも、いる?」
「はい」
俺も何言ってんだよ。
そして嬉しそうに頷くなよリッカぁ。
頭を抱えて。
嬉しそうにさっそく口に咥えてくれちゃうリッカの髪を撫でてやれば。
顔を染めて。
上目遣いのリッカと目が合った。
ほんとにほんとにほんとに。
この小悪魔なんだか天使なんだか。
かわいすぎて困る。