第1章 世界一かわいい悪魔は今、腕の中で天使になる
ミネラルウォーター、2回目。
なんっだよさっきからまじ。
パワーワードすぎるんだけど。
「…………はい?」
「はい。あまりに美味しくて、たくさん喰べてしまいました」
いやいやいや。
朝っぱらからなんの冗談。
こんな美少女から飛び出す言葉にしてはかなり違和感ありすぎだろ。
しかも天使みたいな笑顔振り撒きながら口に出す言葉じゃねえって。
「ついうっかり、喰べすぎてしまったみたいで」
ペコリ。
頭を下げて。
「せっかく凛太郎が親切に教えてくれるなんて言ってくれたのにあたしってばほんと、抑えが効かなくて」
ポ、と恥じらうように手を口元へ添えて、ほんのり赤くなる頬。
「………マジか」
やべ。
目眩してきた。
え。
えー。
えー。
つまり。
あれだ。
こんないたいけな美少女連れ込んで、俺ってやつはこの子に性欲処理に所謂ごっくん、させて。
彼女を満足させることもせずに寝てしまった、と。
こーゆーことか。
最低だな、おい。
「いやほんと、なんてゆーかその…………。誠に申し訳ございません弁解のしようもありません」
ひたすらベッドに頭をくっつけて。
土下座するしかねぇとかほんと、情けねー。
もう酒は止める。
金輪際酒とは縁を切ろう。
自分がここまで最低だとは思わなかった。
「凛太郎、なんで謝るです?」
「ぇ」
「凛太郎は親切にしてくれました。なんで謝るです?」
「いやいやどー考えても俺最低だし」
「でも凛太郎ご飯くれたのに………。じゃぁやっぱり昨日の話は嘘?セックス教えてくれるって、あれは間違い?」
「んん?」
話が全然噛み合ってないな!?
「だいたいその、せい、しは、ご飯とかじゃねぇから………」
って。
何言ってんだ朝っぱらから俺は!!