第2章 無邪気な天使は悪魔な肉食獣
「…………俺、こんな美味いの初めてです、雪乃さん」
「…………」
あたしも。
こんな気持ちいいの、初めてです。
まだ身体、熱い。
頭、ぼーっとしてる。
あんなに何にも考えらんないの、初めてで。
こんなに気持ち良かったの、初めてで。
年甲斐もなく声、抑えらんなかった。
みっともないの、いっぱい見られた。
恥ずかしいのに。
今すぐにでも布団かぶって寝ちゃいたいのに。
身体がゆーこと、聞いてくれない。
「待って雪乃さん寝ちゃ駄目」
「え」
「雪乃さん、すごくいい声出すんだもん」
ぐるん、て。
いつのまにか後ろ向きに、されて。
嫌な予感。
「ま、待って………」
「だぁめ」
慌てて手を伸ばすけど。
すでに力の入らない身体で抵抗したところでなんの抵抗にもならなくて。
ずじゅん………っ
て。
後ろから覆いかぶさるように。
しかもなんの抵抗もなしに容易く。
「ッッ、ぁ………」
彼は躊躇なくまた、奥まで腰を沈めた。
「やッッ、ぁあ、お、っく、………やめ、ん!!………ぁ、は、や………っ、それ!!や、っだぁあああ!!」
「雪乃さん、なかもう俺覚えた?」
耳!!
舌!!
舐めるの、やだ。
パンパン、て。
激しく響く渇いた音。
それに合わせてぐちゅぐちゅ聞こえる卑猥な音。
耳やら頸やら、舌先が這う、音。
「おっ………く、やだ‥っ、ぁ、」
気持ちいい。
気持ちいい。
わけわかんない。
何これ。
気持ちいい。
「………んい………っ」
な………っ、んで今。
なか。
おっきく、なった?
なかがミシミシ、って、きしむのわかる。
だめほんと。
も………。
「あ、ぁ、ん、っぁあああ!!」