第2章 無邪気な天使は悪魔な肉食獣
ぎゅうって痛いくらいに抱きしめられた腕の中。
いやでも感じる下半身の、違和感。
「…………いい?」
だから。
耳元でしゃべるな、って………っ。
吐息が、耳から脳まで溶かす、から。
「ふぅ、ん…………っ!?」
少しだけ身体が離されて。
汗でくっついた前髪を綺麗にかき分けてくれながら、彼が無邪気ににこりと、微笑んだ。
瞬間。
早急に奪われた唇。
これ。
さっきの、やばいキス。
溶けちゃう。
くっついた唇から熱が全身つたって。
溶ける。
「んぐ!?」
同時に、蜜を溢すその場所へと擦り付けられる熱いそれ。
ゆっくりゆっくりゆるく擦られながら。
ゆっくりゆっくりと。
やばい。
これ。
挿入って、くる。
数時間前まで散々抱き潰されたせいか、抵抗もなくすんなりと彼を受け入れちゃう、この身体。
なのに。
わざと焦らすように先端だけを出したり入れたりを、繰り返す。
唇はずっとくっついたまま。
酸素だけが奪われて。
クラクラする。
「ん、ふ、ぅう…………っ」
離して、って。
言いたいのに全然だめだ。
声が出せない。
「…………っ!!」
ゆるくゆっくりゆっくりした動きが。
焦らすようだった緩い動きが、いきなり変わって。
油断していたなかを一気に。
彼は奥まであたしを突き貫いた。
予想すらしなかったその刺激に、身体は待ち望んだように悦び震える。
そんなあたしの反応に気を良くしたように、彼はギリギリまでそれを引き抜いて、一気にあたしを繰り返し貫いた。
もちろん唇も離されることなんてなくて。
軽い酸欠と気持ちよさに、貧血を起こしそうに、なる。
お腹ずっときゅんきゅんしてる。
口の中も。
なかも。
全部全部、気持ちくて。
やばい。
これ。
腰が勝手に、揺れる。
「!!」
だけど。
ぐん、て。
無意識に反り返る身体。
ぎゅうって、締め付けたのが自分でもわかる。
「見つけた」